予防審美
小林歯科クリニック
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成人の慢性の病気の治療と予防


慢性の病気の最良の治療は予防です。
予防が大切という意味で、そう言うのではありません。
むしろ治療と予防に境がないのです。
例えば糖尿病(二型)のもっとも基本的な治療法は十分な運動と適切な食事です。
お医者さんまかせで治るものではありません。
同時に、減量・運動・食事療法は、糖尿病になりやすい人にとってもっとも有効な予防法です。
どこからが予防の運動で、どこからが治療の運動か、なんてありません。

慢性の病気の原因には、いくつもの因子があります。
コレラはコレラ菌の感染だけで起こりますが、胃潰瘍はピロリ菌の感染だけでは起こりません。
このためにピロリ菌という犯人が見つかりにくかったのです。
胃潰瘍には、ピロリ菌の感染に加えてストレスや食生活が関係していると言われています。
このように病気のかかりやすさを左右している因子をリスク因子とよびます。
歯周病の場合にも、いくつかの犯人らしき細菌の名前があがっていますが、病気の発症と進行には、体の遺伝子的な要因や環境要因がかかわっています。
遺伝的なものは変えることができませんが、それだけで病気になるのではありません。
歯医者さんで改善できるリスク因子もあります。
アドバイスを受けて自分で改善できるリスク因子もあります。
リスク因子を見つけ出すのが診断であり、そのリスクを下げるのが予防であり治療です。
歯ブラシで上手にブラッシングすることが、歯周病の予防にも治療にも大きな役割をもっていることは、多くの人が知っています。
ただ歯ブラシに熱心でも、年をとって入れ歯になってしまう人がいるかと思えば、たいして磨かないのに、歯のじょうぶなお年寄りもいます。
このように病気のかかりやすさを左右しているのがリスク因子です。

現代人は、糖尿、痛風、リウマチなどなどたくさんの慢性の病気に悩まされていますが、それぞれのリスク因子には共通するものもありますし、相互に別の病気のリスク因子になっているものもあります。
歯周病は、口の中の細菌のほか、歯のかたちや歯ぎしりの癖、口呼吸の習癖などが関係していますが、もっとも大きなリスク因子は、じつは喫煙です。
炎症を起こすサイトカイン(細胞が出す物質)の遺伝的な性質が歯周病に関係していることが発見され専門家の間で話題になりました。
これで歯周病の診断が画期的に進歩するぞと思われたのです。
ところが、喫煙習慣のある人では思い通りの結果が出ません。
遺伝因子よりも喫煙習慣の方が実はずっと大きなリスク因子だったのです。

糖尿病も歯周病のリスク因子です。
糖尿病の人は、悪くなりやすく治りにくいことが分かっています。
このほか抗てんかん薬、狭心症の予防薬、免疫抑制剤などの薬剤の副作用もリスク因子になります。